カメラ基礎講座

カメラのプログラムモードを使い倒す!! オート撮影からの脱皮テク

カメラレンタルのAPEX RENTALSです。

皆さんはデジタル一眼レフやミラーレス一眼を使う時、どの撮影モードを一番使いますか?
オート一択!! という人もいれば、マニュアル撮影!という人もいるでしょう。

少しカメラに慣れた人の場合、【P(プログラム)】モードを多用する方も多いのではないでしょうか。
【P】モードはオートと同じく全てカメラ任せのフルオート撮影もでき、ホワイトバランス(以下WB)やISO感度など一部だけを変えることも出来るので、「基本オートだけどちょっと自分好みの設定を加えられる」モードです。
ガッツリ設定するのが苦手な人にはうってつけの便利モードですね。

今回はそんな【P】モードの活用方法をご紹介!

各撮影モードをおさらい

まずは、各撮影モードの違いを確認しましょう!
メーカーごとに表記の仕方は違いますが仕組みは同じです。
撮影モードは、一眼レフではモードダイヤル、ミラーレスではモードダイヤルメニュー内両方で切り替えられたりします。

【Auto(A+)】オートモード
露出(シャッタースピード、絞り、ISO感度)からWBまで全てカメラが決めてくれるので、初心者に最も優しいモードです。
フルオートなので、少しでも自分で設定したい場合は不向きです。


【P】プログラムモード
オートと同じフルオート撮影もでき、ISO感度やWBを変えることもできます。
「基本はオートで撮りたいけど少しは自分で設定してみたい」という場合におススメのモードです。


【Tv(S)】シャッタースピード優先モード
シャッタースピードを自分で設定します。
シャッタースピードをいじれば、ISO感度や絞りはオートで合わせてくれます。
※自分で調整することもできます。
動きものを撮る時に便利なモードです。


【Av(A)】絞り優先モード
絞りを自分で設定します。
絞りをいじれば、ISO感度やシャッタースピードはオートで合わせてくれます。
※自分で調整することもできます。
ボケを調整したい時に便利なモードです。


【M】マニュアルモード
露出、WBなど全てを自分で設定します。
※カメラによってはISO感度をオートにすることが出来ます。


【P】を制する者はシャッターチャンスを制す

それぞれのモードを振り返ったところで、今回のテーマは【P】モードです。
実は、【P】モードには【プログラムオート】【プログラムシフト】という機能があります。

先程おさらいした【P】モードの特徴は【プログラムオート】の特徴で、基本的には【P】モードを選ぶとこの【プログラムオート】が起動します。

【プログラムオート】は絞りやシャッタースピードを自動で設定してくれるので便利な一方、カメラが自動で決めた設定だと思うようにいかないこともあり「ここはシャッタースピードがもっとあれば……」「ここはもう少し背景がボケていれば……」という写真になってしまう事もあります。

そこで、便利なのが【プログラムシフト】です。
【P】モードの状態の時に、カメラのダイヤルを左右に回してみてください。

そうすると、カメラが設定した適正露出からずれない範囲内絞り・シャッタースピードのバランスを調整する事が出来るのです。
これが【プログラムシフト】です。
メーカー問わず、搭載されている機種は多いでしょう。

例えば下の写真。

【プログラムオート】で撮ったのですが、
ISO:100(Auto)
シャッタースピード:200
絞り:F5.0
となります。

オートで撮った写真もいいのですが、背景が少しうるさいですね。
そこで、そのままダイヤルを回してみましょう。
【プログラムシフト】に切り替わって絞りとシャッタースピードの数値が動きます。

ご覧の通り、絞りとシャッタースピードが連動して動きます。
オートのF5.0⇒F2.8にシフトして撮った写真がこちらです。

F値が明るくなるように変えたので、背景が柔らかくボケて花が引き立ちました!

つまり、ボケを意識したい時は絞りの値を見ながらダイヤルを回せば【簡易Av】モードとして、スピード感を意識したい時はシャッタースピードの値を見ながらダイヤルを回せば【簡易Tv】モードとして使えるのです!

もちろん、最初から絞りやシャッタースピードを意識した撮影をしたければ【Av】や【Tv】モードで撮れば良いのですが、【P】モードならオートの状態からダイヤルを回すだけで調整が出来ちゃいます。

「あ、今調整したい!」と思った瞬間に調整できるんです。
何せシャッターチャンスは一瞬ですから!!

撮影モードをいちいち【P】から【Tv】やら【Av】やらに切り替えると、恐らく秒単位の時間が経過するでしょう。
でも【プログラムシフト】なら秒もかかりません。
オート、絞り優先、シャッタースピード優先を1つのモードで変更出来ちゃいます。

【プログラムシフト】【Tv】【Av】モードとの違いは

便利な【プログラムシフト】ですが、実は弱点もあります。
それは絞りやシャッタースピードを動かせても、ISO感度は測定値から固定という事です。

露出は【絞り】【シャッタースピード】【ISO感度】の3つのバランスで調整します。


例えば【Av】モードの場合は、絞りの数値を変えると残りの2つの値をカメラがいい感じに自動調整してくれるので、調整できる幅がとても広いです。

【Tv】モードも同様です。
その為、ガッツリ調整するには最初から【Tv】【Av】モードの方が使いやすいでしょう。

【プログラムシフト】の場合、ISOの数値が【プログラムオート】の測定値で固定され、そのISO値をキープできる範囲内で絞りとシャッタースピードのバランスを変えることができます。
例えば【プログラムオート】でISOが100となった場合は、【プログラムシフト】ISO100で撮れる範囲内でしか絞りやシャッタースピードの値をいじれません。

とはいえ、屋外などの明るいところでは割と幅広く調整できるので結構役立ちますよ。

まとめ

いかがだったでしょう。
【P】モードはオート、絞り優先、シャッタースピード優先と何にでもなれる機能が備わっています。
メーカーごと【プログラムシフト】に細かい仕様の違いなどがあると思いますので、気になる人は試してみてください!

PENTAXに限っては【P】モード中にダイヤルを回すと、他社の【簡易Tv】【簡易Av】のようなプログラムシフトとは異なり、完全に【Tv】モード【Av】モードへ切り替わるので超便利です。★【ハイパープログラム】といいます。他社も搭載すればいいのに。

是非お試しください!!

ABOUT ME
Coyote
テレビCMの元オフラインエディター。 映像機材のレンタル屋さんとして、映像に関する事はプロであれ!を信条に出来ることは何でも取り組んでます。 PENTAXを愛用して16年。 低シェア故に輝ける周りと被らない個性が大好き!
この記事もおすすめ