ミラーレス

Canon EOS R レビュー キヤノン初のフルサイズミラーレス、実用性と描画力を試す

入荷以来大好評をいただいているCanonのEOS Rですが、今回たまたま空きがでたので撮影に出かけてきました。

EOS Rとは

すでにCanonからもAPS-Cサイズのミラーレス一眼カメラは発売していましたが、フルサイズのミラーレスカメラはありませんでした。
そこに今回Canon初フルサイズミラーレス一眼が満を辞して登場しました。
フルサイズミラーレスといえばSONYが先行していますが、後発のCanonはどのようなカメラに仕上げてきたのでしょうか、使う前から楽しみです。

新マウントの採用

EOS Rで採用されているマウントは「RFマウント」です。
RFマウントとはCanonのフルサイズミラーレスカメラのために作られた新しいマウントです。
「大口径マウント」「ショートバックフォーカス」「新マウント通信システム」などの特徴を持っています。


EFマウントと同じ54mmを継承。12ピンの電子接点で通信速度も向上。
また、レンズを外すとセンサー部のカバーが下り、ゴミの混入を防ぐのも面白い機構です。

今回はテストしませんでしたが、EFレンズが使えるマウントアダプターもございますので、手持ちのEFレンズも活用できますよ。

カメラの特徴

簡単にですが、スペックです。
センサーには約3030万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載、エンジンはDIGIC 8搭載で静止画での常用ISO感度は100~40000が可能になりました。高感度でも鮮明に写すとのことで暗所での撮影も気になるところ。

AFはデュアルピクセルCMOS AFの採用で、最高0.05秒のAF、横約88%×縦約100%のAFエリア、低輝度合焦限界がEV-6、瞳AFの搭載などこちらもワクワクするようなスペック。

また目を引くのが「マルチファンクションバー」という新たな操作系です。
ホワイトバランスやISOの設定を割り当てることができ、タッチやスライド操作が可能。
これは今まで見たことがないインターフェイスですが使い勝手はどうでしょうか。

「マルチファンクションバー」タップ、スライド操作が可能

また、カメラ本体の機能ではありませんが、レンズに搭載された「コントロールリング」も新しい機能です。

レンズ先端からコントロールリング、フォーカスリング、ズームリング

以上、気になる所を踏まえ今回は静止画のレビューです。

EOS Rを1日中持ち歩く

旬なカメラを持って旬な場所、先日オープンしたばかりのムーミンバレーパークに行ってきました!(5時起き)
EOS Rを1日使っての感想とついでにパークのレポートもしたいと思います。

カメラの設定は絞り優先モードF4固定です。
期待のマルチファンクションバーにはISO、レンズに搭載されているコントロールリングには露出補正を当て込んで1日撮り歩いてみました。

ムーミンバレーパークは埼玉県飯能市にあり、飯能駅からバスで15分ぐらいの場所にありました。
ムーミンの旗が吊るされた並木道を歩いていくと一足お先にオープンしたメッツァビレッジがあります。

足を踏み入れると湖が見えてくるのですが、これがまた「ムーミン谷ありそう!」と期待を膨らませてくれます。
メッツァビレッジにはおしゃれなカフェや雑貨屋さんがありました。

(1/200, f4, ISO-100)
(1/60, f4, ISO-125,+1)

パーク内はもちろんですが、メッツァビレッジ内もフォトスポットの宝庫です。
朝もさわやかで素敵でしたが、個人的には夕暮れ時のオレンジに染まった景色が好きでした。
逆光で撮影する場面も多かったのですが、フレアやゴーストが現れたものはそんなに無かったので、耐性はそこそこ有りそうですね。

ムーミンの物語の中に登場するお家や水浴び小屋などは素晴らしいクオリティでした!
ムーミンハウスにはチケットが売り切れて入れませんでしたが、お庭が開放されている時間帯は一階部分だけなら外から見ることができます。
他にもアスレチックやジップラインなどのお子さんも喜びそうなアトラクションがありました。

(1/1000, f4, ISO-100)

ムーミンハウスの屋根に寄ってみました。瓦の一枚一枚がパキッと良く解像してますね。
拡大すると壁面の塗料に質感もみえました。

(1/60, f4, ISO-320)

パークに入ってすぐのウッディーな店内が素敵なパンケーキレストランです。
24mm F4で撮影した店内の天井、こちらもパキッと解像してますね。
広角側解放で撮っても周辺減光は気になるほど出ないと思います。

105mm F4で撮影したベリーたっぷりのパンケーキ。
望遠側で撮影すれば豊かなボケ味も生まれます。
無理のないなだらかなボケはさすがCanonのフルサイズですね。
差し込む自然光が生み出したツヤ感やパンケーキの表面の質感なども見事に再現してくれています。

細かい場所も凝っていていくらでも写真が撮れそうです。

EOS Rのグリップに関してですが、深く細いつくりの為女性の私にはちょうど良く、手で持って歩いていても全然苦にならないぐらい持ちやすかったです。
ただレンズとグリップの間が狭い為、手が大きい方だと少し窮屈で持ちにくく感じるかもしれませんね。

(1/400, f4, ISO-100)
(1/320, f4, ISO-100,+0.3)

特筆すべきはAFの早さです。迷う事なく無音でスッと合います。
ショーなど動きのあるものを撮るにも活躍しそうです。
コントロールリングに露出補正を当て込んでいたのですが、誤って触っていたのかショーを撮っている間にちらほら意図しない露出補正がかかっていました。これは慣れが必要かと思います。

(1/80, f4, ISO-1200,-0.7)
(1/80, f4, ISO-640,-0.7)
(1/60, f4, ISO-12800)
(1/160, f4, ISO-1200,-0.7)

一番興奮したムーミン谷のジオラマ、謎の露出補正がまた……。
やはり気をつけていないと触ってしまうのでこれは注意したいところですね。
ISO12800がオートでのマックスのようで、さすがにノイジーですがこのサイズなら十分に使えるかと思います。
ジオラマの色々な所に居るキャラクター達が今にも動き出しそうでワクワクしました。
これを観るためにまた行きたいとすら思います。

マルチファンクションバー、コントロールリングは慣れが必要

マルチファンクションバー、コントロールリングどちらにも言えるのですが、うっかり触ってしまって設定が変わってしまう事が何度かありました。

上でも嘆いていたように、私の場合は特にコントロールリングが多かったです。
ですが、コントールリングの使い勝手は良く、レンズで露出の調整ができるのは便利でした。
マルチファンクションバーは、操作に慣れていないせいか少し使いづらさも感じてしまい途中からほぼ使用せずでしたが、両者共に自分好みにカスタマイズできるので慣れれば強い味方になるかもしれません。

1日使ってみて

明るくても暗くても、動いていても止まっていてもAFがすっと合い、いつでもシャッターが切れるストレスの少ないカメラでした。

液晶も電子ビューファインダーもとても綺麗なので、写真が上手くなったような気にもなれます。標準ズームレンズでの使用だったのでボディ内手振れ補正が無いということも大して気になりません。

瞳AFやフレキシブルAEモードでの撮影は今回試していないので、また空きがあるときにじっくり触りたいと思います。バッテリーのもちは良くないですが、弊社でレンタルしていただければバッテリーを2個お付けしているので安心です。
フルサイズミラーレス一眼も今や各社から発売されているので、レンタルでお試しいただき、お気に入りを見つけてください。

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