交換レンズ

もう迷わない! Nikon交換レンズの疑問を解消しよう

さっそくですが、次の文字列は2014年に発売されたレンズの名称です。
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED

また下の文字列は2002年に発売されたレンズです。
AI AF Nikkor 20mm f/2.8D

NIKKOR(ニッコール)はブランド名みたいなものですが、それ以外はよくわからないアルファベットが多々並んでいます。

今回はエイペックスレンタルズで好評レンタル中のニコン交換レンズについて、このよくわからない表記をちょっとだけ解説したいと思います。
なおニコンのレンズには例外もいくつかあり、内容に誤りがある箇所もあるかもしれません。
恐れ入りますが予めご了承くださいませ。
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タイプとは?

まずはタイプについてです。
2017年2月現在、レンタル館には3タイプのレンズが確認できます。
新しい方から「Eタイプレンズ」「Gタイプレンズ」「Dタイプレンズ」と言われます。
タイプの違いは後ほどお話するとして、どのタイプかはF2.8といった数値の後ろにあるアルファベットを見ればすぐ確認できます。

先程の2つのレンズ名を例にすると以下のような感じです。

Dタイプより前に「Sタイプ」やそもそもタイプ分けされていないレンズもあったようですが、Dタイプ以降は総じて「撮影者から被写体までの距離情報」をカメラボディに伝えることができるようになりました。

これにより高度な測光技術やフラッシュ調光技術が可能となったわけですが、詳しく話すと難しいためざっくり言うと、難しいことを考えなくても良い写真がかんたんに撮れるようになった、ということですね。

さて各タイプの違いは以下のように言えます。

Eタイプとは──
カメラボディ側から電気信号により絞り制御を行うレンズのこと

Gタイプとは──
カメラボディ側から機械的に絞り制御を行うレンズのこと

Dタイプとは──
古いカメラにも対応、絞りリングで絞り制御を行うレンズのこと

細かいことですが、Eタイプ、Gタイプは絞りリングを持ちません。
つまりレンズからは絞りをいじれないため、ボディで絞りを制御できないカメラは、Eタイプ、Gタイプレンズは使えないということになります。

このレンズは自分のボディで使えますか?

レンタルサービスをしていると、上のような質問をよく耳にします。
大体の場合は使えるのですが、ニコンはこれまで、古いカメラとレンズ、新しいカメラとレンズ、いずれにも配慮した商品づくりをしていたため、装着はできるけど「オートフォーカスが使えない」「露出がいじれない」などなど、困った状態が存在してしまうのも事実です。これでは「問題なく」使えるとは言えませんよね。

そこで、近年のデジタル一眼レフカメラでオートフォーカスが使える条件でまとめると、以下になります。

D3000番台、5000番台
→「AI AF-S」が付くDタイプレンズ、または「AF-S」が付くGタイプレンズなど

D7000番台やそれより高スペック、またはD80、D90など
→上述のレンズに加え、「AI AF」が付くDタイプレンズなど

すいません、ニコンは複雑すぎて、フィルムカメラについては割愛させてください。

AF-Sレンズとは

レンズに内蔵された超音波モーターによるAFが可能。

AF-Sレンズにはオートフォーカス駆動用のモーターが内蔵していることを表します。
「AI AF-S」や「AF-S」といったバリエーションがありますが、新しいカメラボディで使う場合は基本的にどちらも同じようなものですので特に意識する必要はないでしょう。
(AIについては後述)

単に「AF」と付くレンズは、カメラボディ内モーターによるAFが可能と言う意味で、言い換えると「AF」レンズにはモーターが内蔵していません。
ボディ内にモーターがないボディは、いわゆる入門機(エントリーモデル)、もっと端的に言うと安いカメラです。

ボディにモーターが無いカメラは、モーターを搭載したレンズでないとオートフォーカスが使えません!
すなわち「AF-S」が付くレンズを選びましょう、ということです。

当たり前ですが、「AF(AF-Sなども含む)」という記載がなければ、たとえボディ内モーターがあったとしても、どうやってもオートフォーカスは使えません。
マニュアルフォーカスで撮影する必要がありますのでご注意ください。

APEXレンタルには取り扱いはありませんが、「AF-I」方式のレンズもあります。
「AF-S」とは駆動方式が異なるだけで、どちらも装着可能なボディではオートフォーカスが使えるレンズです。

最近は「AF-P」と付くレンズも発売されています。
AF-Pは高速で静粛なステッピングモーターによるAFが可能なレンズです。
今はまだ種類は少ないですが、今後はAF-P方式のレンズが増えていくのかもしれません。

AIってなんだ?

いよいよ大詰めです。
エイペックスレンタルズには「AI」と付いているレンズがいくつかあります。

AI AF Nikkor 14mm f/2.8D ED
AI AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

などです。

AI方式とは──
開放F値を自動でカメラボディに伝達する方式のこと

AIはAutomatic Maximum Aperture Indexingというらしいです(Wikipediaより)
AI方式以前は、なんと手動で行っていたようです!

現行のレンズはすべて自動で伝えていますのでAI方式なんだな、と思ってしまいますが、実は違います。
絞りリングのないAFレンズ(Gタイプ以降)はAI方式ではありません。

上でもちょっと出ていましたが、Dタイプレンズは「AI」方式のため古いカメラボディでも使用可能です。
そしてGタイプ以降は完全に非AIとなったため、古いカメラボディでは普通は使えません。

つまりAIと付くレンズはざっくりいうと、昔のカメラ(フィルムカメラなども)でも使える方式を意味していると言うわけです。

最後に、どのような道程を経て現在に至っているかを画像にまとめてみましたので、こちらで理解を深めてみてください。

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おまけ よく目にする略称について

ニコンの交換レンズには多彩な技術が使われています。
その中で一部ピックアップして簡潔に説明します。

VRってなあに?

VRとは「Vibration Reduction」の略で、いわゆる手ブレ補正機構のことです。
暗いシーンや手持ち撮影時に強力な手助けとなってくれる魅力ある機能です。
主に中望遠以上のレンズに搭載されることが多かったのですが、最近では広角から標準域のレンズにも搭載される傾向になりつつあります。備えあれば憂いなし、といったところでしょうか。

EDってなあに?

EDとは「Extra-low Dispersion Lens」の略で、レンズ機能の1つです。
かんたんに言うと、解像力の低下を招く色収差を低減する効果があります。
より優れた機能を発揮するスーパーEDレンズも登場し、高価なレンズに搭載されています。

FLってなあに?

FLとは「Fluorite Lens」の略で、ほたるいし、フローライトと呼ばれる結晶です。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRなどの望遠系レンズに搭載されている技術で、EDレンズと同様、色収差を低減する効果があります。
さらにレンズの軽量化にも貢献するため、今後はよりいっそう活用されて行くと思われます。

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